ナメクジはなぜ蚊取り線香を食べるのか

庭に放置していた蚊取り線香。久しぶりに見たらナメクジの這った跡がキラキラと・・・。そして所々かじられている!?なんでだよ!!!
え、ナメクジって蚊取り線香食べるの?毒的なものは大丈夫?と思って調べてみた。
ナメクジに食べられた蚊取線香

ナメクジの主食

そもそもナメクジは何を食べるのか。答えは「結構何でも食べる」。
植物や野菜はもちろん食べるし、肉や魚のタンパク質も食べるそう。そして有名な話だけどカルシウム補給にコンクリートもかじるそうな・・・。
じゃあ蚊取り線香にこれらの成分が含まれてるのだろうか。

蚊取り線香の材料

蚊取り線香が何から出来ているのか。答えは「キンチョーの夏」でおなじみのKINCHOのHPに載っていた。

弊社製品「金鳥の渦巻」の製造工程は、有効成分ピレスロイド系殺虫剤「アレスリン」を粕粉、木粉などの植物性粉末に混合し、更に粘結剤としてタブ粉、澱粉などを加え、混和機で練り、押出機にかけて板状にしたものを渦巻型に打抜き、乾燥して作ります。
[KINCHO ホーム 工場見学 工場長に聞く 詳細な話コース1]

タブ粉っていうのはタブノキって植物からとれる粉。デンプンはジャガイモやお米に含まれている成分。これに植物性粉末を加えてるってことは、蚊取り線香はほとんど植物!
そらナメクジも美味しくいただきますわ。

ナメクジに蚊取り線香の毒は効かない?

ということで材料的にはナメクジが蚊取り線香を食べてもおかしくない事は分かった。だけど殺虫成分はナメクジには効かないのだろうか。もしかして食べて少し経った頃にコロっと死んでるのか?
蚊取り線香の殺虫成分、ピレスロイドが毒として効くのは昆虫類・両生類・爬虫類。それらの生物の神経細胞の受容体の働きを狂わせるらしい。一方で哺乳類や鳥類が持つ受容体のタイプには影響しないから毒性はないとのこと。(wikipedia調べ)
そしてナメクジは軟体動物門の腹足綱だが・・・効くのか????分からーーーーーん!

じゃあ今度はナメクジ殺虫剤の主成分を調べる方向で攻めていこう。調べてみるとピレスロイド系の成分は含まれてない物ばかり。ほとんどのナメクジ殺虫剤はメタアルデヒドと燐酸第二鉄のどちらかを使ってる。
さらに調べているとこんな記述を発見。

ナメクジに対しては既存の殺虫剤は全く効果がないので古くから特殊な毒餌剤が用いられている.メタアルデヒドが唯一その成分であるが,面白いことに誘引活性と殺ナメクジ活性の2つの効果を併せ持っている.
(略)
その後にリン酸第二鉄製剤が毒餌剤として開発された.
[日本家庭用殺虫剤工業会|家庭用殺虫剤概論III]

という事で蚊取り線香の毒はナメクジには効かないっぽい。よかったよかった。
これからも思う存分に蚊取り線香をかじればいいさ。

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